地べたを走る天使

今年の7月、アイドルマスターシャイニーカラーズのソロパフォーマンスライブ「我儘なまま」を見た。コミュは全然読めていないのだけれど、それでも各アイドルのパフォーマンスはそれぞれの色がよく表現されていて、終始感動と興奮の波の中にいた。Day1だけチケットが取れたので現地にいたのだが、好きな曲が前半に畳み掛けられてしまったので、幸せな処理落ち状態というか、あんまりまとまった記憶が残っていない。HAREBARE!!で泣いていたらわたしの主人公はわたしだから!が始まって涙腺がバグったことと、4階席から見たさらんちゃんが天使そのもののように輝いていたこと。誰よりも大きい声でコールしたかったのに泣いてしまったのが悔しかったこと。そのくらい。そのあとも断片的な記憶しか残っていないけど、それでもものすごく楽しかった。感想を話し始めると趣旨を見失いそうなので割愛するが、バラバラのソロ曲をどうライブの形にするのかという疑問に強すぎる思想でアンサーをくれた運営さんにはかなり感謝している。

Day2は配信を購入して視聴した。Day1との繋げ方と差別化が見事で、パフォーマンスは言わずもがな最高で、大興奮だったせいかこれも初見時の記憶があまりない。ただ、配信というシステムは素晴らしく、なんと1週間同じ映像が見放題なのである。そんなこと誰でも知ってるよというツッコミはちょっと御遠慮いただきたい。映像コンテンツが苦手な私は、配信ライブを購入しても3回以上見ることがほとんどなく、あまりその恩恵をめいっぱいかんじたことがなかったのだ。我儘なままは、通しで見たのは2回程度だったけれど、それでもちょこちょこ観続けて各曲5回ずつぐらいは見たんじゃないだろうか。アーカイブ期間の終わりごろには、Day1も買っても元取れたんじゃないかと気がついて後悔するくらい、リピートし続けていた。中でも一番繰り返し見たのは、福丸小糸さんの「わたしの主人公はわたしだから!」。

わたしの主人公はわたしだから!

わたしの主人公はわたしだから!

  • 福丸小糸 (CV.田嶌紗蘭)
  • アニメ
  • ¥255

私はイルミネが好きで、始めたのもイルミネが好きな予感がしたからなのだが、WINGを読んでいたときに別枠かつ個人で気になったのは福丸小糸さんだった。WINGの最終話である「ここにおいでよ」より画像を引用する。

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「アイドル」という存在を、概念を、まるごと肯定してくれるアイドルだと思った。頑張ってる人を見て、応援したくなる。元気をもらう。そういう要素は、時に軽んじられるものだと感じる。だけど、それの何が悪いというのだろうとずっと思ってきた。小糸ちゃんは、最初から「アイドル」になりたかった子ではない。なのに、ステージに立って、ここがわたしの居場所になるかもしれない、それが人の居場所になるかもしれない、そんなことを感じてくれるんだと思ったらなんだか泣けてきて、このアイドルのことが好きだと思った。この子が歩いていく道を見たいと思った。

Day2の「わたしの主人公はわたしだから!」のパフォーマンスを繰り返し繰り返し見ながら、このコミュのことと、それを読んだときの気持ちを思い出していた。

小糸ちゃんのことは大好きだし贔屓している自覚はあるけど、推しという感覚とは少し離れていると思っている。図々しいこと承知で言葉にするなら、小糸ちゃんは、私と似ているところがあるのである。大好きな本の主人公だったらもっとそつなくできるのにと思う気持ち。よゆーで何でもできて、憧れられちゃったりするような人になりたい気持ち。背伸びしても絶対に届かないところがあるってなんとなく感じてしまう気持ち。めちゃくちゃ関係ないしどうでもいいことだが、身長もピッタリ同じ。もっとすらっと、大人っぽく。そういう気持ちと、自分との間にあるギャップが苦しい気持ちに、痛いほど覚えがある。

でも、小糸ちゃんは私と違って、転んでも転んでも走り始めるのだ。居残り練習もするし、勉強だって諦めない。誰よりも努力できる才能を持って、それをちゃんとめいっぱい使える人だ。持ってるものが少ないなら、人3倍くらい積み重ねて追いつこうと懸命に走れる人だ。それに、ものすごく励まされている。すぐに辞めたり諦めたりする言い訳を探して座り込む私の重たい腰を止めてくれるのは、小糸ちゃんなのだ。

遅刻しているときに、せめて1本でもはやい電車に乗ろうって走れるようになりたい。そのくらいの、小さな小さな努力すらできない私の、足を軽くしてくれるアイドル。それが、私にとっての小糸ちゃん。私は頑張ったって全然カッコよくなれないって思うけど、それでも、頑張ってる小糸ちゃんはキラキラしてるから、もうちょっと踏ん張ろうかなって思わせてくれてありがとう。

小さな羽根を背負って歌って踊って、できるだけたくさんのお客さんの近くに行こうと走る姿を、ずっと覚えていたい。その羽根では飛べなくても、あれは紛れもなく天使だったと思うから。地べたを、自分の足で走る天使が、私を救ってくれるんだってこと、言葉にして残しておきたいと思ったので、このブログを書いている。小糸ちゃんのお誕生日を祝う言葉に替えて、自己満足の駄文だけど、これが私なりの愛の言葉だということにしてほしい。小糸ちゃん、大好きだよ。いつもいつも、ありがとう。

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大ファンだからね!!!!!!!

 

 

2023.11.11